不動産仕入れSaaS「WHERE」機能調査・競合調査

サマリー


■ 調査結果(要約)

1. 空き家探索実務での活用方法

WHERE独自機能として

それ以外の機能として

2. 機能評価(★=WHEREならではの機能)

(衛星AI・変化検出など、他のツールで代替しにくい強み)

3. 月額料金と従量課金の仕組み

取得物 消費カウント
所有者事項(土地/建物) 1
全部事項(土地/建物) 2
公図/地積測量図 3
商業登記簿 2

(カウントの入手方法は未確認 ※要WHEREに確認)

4. 売りの機能と、競合と比べたメリット・デメリット

要点
主なメリット ①衛星AIで空き地・空き家候補を自動で見つける(人脈・勘に頼らない)/②取り壊し・更地化など新しい変化を早く見つける/③探索〜土地管理が1ツールで完結
主なデメリット ①月60万円+従量で高い/②登記の取得はWHEREより登記簿図書館が大幅に安い/③所有者名からの逆引き(名寄せ)がない(要確認)/④スポット・少額・紙での利用に弱い

→ 詳しい比較・メリデメは下記「詳細」の 5〜7 を参照。


■ 詳細

1. 機能の詳細

(1) 探索(物件を見つける)

機能 内容
新AI探索(衛星AI) 衛星写真をAIが見て対象を自動で見つけ、地図にピン表示する。対象=空き地/古屋根の建物/コインパーキング/月極駐車場/田畑/太陽光パネル。絞り込み=エリア(地点の半径 0〜1,000m/エリア)、対象物件のAI信頼度(10〜90%)、対象物件のAI推定面積、用途地域、接道(指定なし/あり/なし)、除外条件(森林計画/農業振興地域/ハザード情報)。「高速β版」あり
セルフ探索 地図(航空写真/地図)をクリックして候補地(筆)を選ぶ。住所・地番で検索
AI探索 旧フロー(ヘッダーに別ボタン)

(2) 探索結果・付帯情報

(3) 取得カウント(登記の取得)

(4) 土地管理(営業管理)


2. カバレッジ(どこまで対応しているか)

データ 対応範囲
筆界・地番 法務省「登記所備付地図データ」。全国整備が進むが、地図が乱れた地域・公図しかない地域はズレや精度低下あり
登記・所有者 法務局データで全国対応
用途地域 都市計画区域の中だけ(区域外は粗い/なし)
公示価格 地価公示・基準地の「地点」を近くの値で補う
学区・将来人口・ハザード・森林 自治体・国データの整備状況しだいで地域差あり
衛星AI(空き家検出) 写真があれば全国だが、解像度・撮影時期・季節・建物の作りで精度が変わる

3. 仕組み


4. 全機能 詳細一覧表(機能/仕組み/できること/使用技術)

★=WHEREならではの機能(衛星AI・変化検出など、他で代替しにくい強み)。使用技術は、画面・データ名・公開情報で裏が取れたものを【確認】、推定を【推定】と表記。スクショ=.playwright-mcp/where_01〜06_*.png

A. 探索(物件を見つける)

機能 仕組み できること 使用技術
★新AI探索(衛星AI) 衛星写真をAIが見て、屋根・地表の見た目から対象を見つけピン表示 エリア内の候補物件を自動で見つける 衛星写真をAIが見て判別【推定】。衛星はアクセルスペース等と提携【確認】
対象(6種) 空き地/古屋根の建物/コインパーキング/月極駐車場/田畑/太陽光パネルを切替 用途別に探す対象を選ぶ AIの見た目分類【推定】
エリア 地点の半径(0〜1,000m)/エリアで範囲を指定 商圏・担当エリアに絞る 地図上の範囲指定【推定】
★対象物件のAI信頼度 10/30/50/70/90%で足切り 精度と件数のバランス調整 AIの確からしさ(%)【推定】
★対象物件のAI推定面積 AIが推定した面積で範囲指定(田畑以外) 規模で絞る 写真からの面積推定【推定】
用途地域 全用途地域/指定で絞る 建てられる用途で選別 都市計画の公開データ【確認】
接道 指定なし/あり/なし(システム判定) 道路に接しているかで選別 道路データとの隣接判定【推定】
除外条件 森林計画/農業振興地域/ハザード情報を除外 開発しにくい土地を外す 各公開データとの照合【確認】
高速β版 同じ新AI探索を高速描画で表示 大量のピンを軽快に操作 高速地図描画【確認:画面】
セルフ探索 地図クリックでその場所の筆を判定 任意の土地を候補地化(地番・住居表示が出る) 登記所備付地図の筆界+住居表示対照【確認:筆界/推定:住居表示】
住所・地番検索 検索で地図を移動(住所/地番) 目的地へすばやく移動 住所→地図位置の変換【推定】
付帯情報の自動付与 候補地の場所に公開データを重ねて取り出す 学区/最寄駅/将来人口/公示価格/災害被害度/ハザード情報/森林を一括取得 国・自治体の公開データ【確認:データ】
周辺リスト・並べ替え・絞り込み 結果を信頼度降順などで一覧、リスト追加済を除外 候補の取捨選択 一覧表示【推定】
履歴/履歴作成 探索条件・結果を保存(3か月) 過去の探索を再利用・引継ぎ データ保存【推定】
非表示物件 不要な候補を非表示にする ノイズを減らす 表示フラグ【推定】
リストへ追加 選んだ候補を土地管理へ送る 探索→営業管理へ連携 アプリ内連携【確認:画面】

B. マップのレイヤ(地図に重ねる情報)

レイヤ 内容 できること 使用技術
★高ポテンシャル地域 対象が多い・見込みの高い地域を面で表示 攻めるエリアの当たり付け 検出結果の集計表示【推定】
★差異検出ポイント/差分の大きい地域 過去と今の衛星写真を比べ、変化のある地点・地域を表示 取り壊し・更地化など新しい変化を見つける 衛星写真の変化検出【推定】
★夜間光 夜の明るさの衛星データ 活動量・空き家の目安 夜間光の衛星データ【推定】
筆界/筆界β版(登記所備付地図 公共座標) 法務省の地図データを重ねる 筆ごとの境界を確認 法務省 登記所備付地図データ【確認:レイヤ名】
用途地域/都市計画区域 都市計画の区分を色分け 用途・区域を確認 都市計画の公開データ【確認】
木密地域 木造が密集する市街地 防災・再開発の観点 公開データ【推定】
ハザード各種 洪水(想定最大/計画規模)・浸水継続時間・家屋倒壊(氾濫流/河岸侵食)・内水・高潮・津波・土砂(土石流/急傾斜地/地すべり)・雪崩・液状化 災害リスクの確認 国のハザード・地理院データ【確認:項目名】
傾斜率(国土地理院) 地形の傾き 造成のしやすさ判断 地理院データ【確認】
青地・白地(国交省2015/農業委員会2025) 農用地の青地/白地 農地転用の可否判断 農業委員会・国交省データ【確認】
農地/森林地域/国有林/保安林/地域森林計画対象民有林 農林の規制区分 規制地の把握 林野庁・農水省データ【確認】
行政区画/変電所 ほか 行政界・インフラの位置 立地条件の確認 国土数値情報など【推定】
表示設定/新規テンプレート保存 レイヤの組合せを保存 業務別のレイヤセットを再利用 設定保存【確認:項目名】

C. 取得カウント(登記の取得)

機能 内容 できること 使用技術
地番・住居表示の表示 筆界+住居表示対照で表示 クリックした土地の地番・住居表示を特定 登記所備付地図+住居表示対照【確認/推定】
登記情報取得 法務局の登記を取得(カウント消費:所有者事項1/全部事項2/公図・地積測量図3/商業登記簿2) 所有者・権利関係・図面を取得 法務局の登記データ【確認:取得物】
建物謄本取得・建物登記追跡アラート 建物の登記も取得し、変化を通知 建物所有者の確認・異動の検知 登記データ+変化監視【確認:公開情報】
所有者分類 個人/法人などを分類 アプローチ方針の出し分け 分類処理【推定】

D. 土地管理(営業管理)

機能 内容 できること 使用技術
アプローチ・パイプライン すべて/アプローチ予定/アプローチ中/提案・商談/成約/廃案・失注/アプローチ停止/取得依頼/ゴミ箱 案件を段階で管理 営業管理(Web)【推定】
所有者変更あり抽出 受付日からおよそ3か月前を抽出 相続・売却のタイミングを検知(空き家探索の本命) 登記の定点取得+差分【推定】
クイックフィルタ 情報未取得/アプローチ停止候補 状態ですばやく抽出 抽出処理【推定】
絞り込み(6カテゴリ) リスト情報/アプローチ記録/登記情報/全部事項項目/付帯情報/探索情報 複数の条件で絞る 検索【推定】
一括操作 情報取得/一括編集/アプローチ/書き出し まとめて取得・編集・出力 一括処理【推定】
ユーザータグ/現況・状態・分類名 任意のタグ・属性を付与 自社の運用に合わせ分類 属性管理【推定】
次回アプローチ方法・最終アプローチ記録 営業履歴を記録 接触履歴の管理 営業記録【推定】

E. 探索リスト

機能 内容 できること 使用技術
探索リスト(3か月保存) 過去の探索を一覧(探索エリア/日時/探索者/対象/AI信頼度/AI推定面積/筆界面積/除外条件/用途地域/付帯情報) 過去の探索を再利用・追跡 データ保存【推定】

F. 共通・運用・連携

機能 内容 できること 使用技術
地図基盤 航空写真/地図/地形/ラベル切替、ストリートビュー、全画面、用途地域オーバーレイ いろいろな視点で現地確認 Google Maps(衛星写真=Maxar/Airbus)【確認:表示】
進行状況 探索・取得の進み具合を表示(「1件進行中」) 重い処理を待たず操作 処理状況表示【推定】
通知 取得完了・アラートの通知 異動・完了の把握 通知【推定】
Sansan連携 名刺・取引先データと接続 所有者・取引先情報の突合 Sansan連携【確認:項目名】
アカウント/メンバー/取得件数/ファイル容量 取得カウント・取得件数(1時間ごと更新)・容量を管理 利用状況・課金の把握 管理画面【確認:画面】
ガイド/FAQ/操作説明/リリース情報 チュートリアルと資料 使い方の習得 埋め込みガイド【確認:画面】
多言語 言語切替(JA) 多言語UI 多言語対応【確認:画面】

5. 競合(ブルーマップ単体/登記簿図書館)との比較

仕入れの流れ=①発掘(どこに対象があるか)→②地番特定(地図→地番)→③所有者特定(地番→登記)→④付帯情報→⑤新しい変化の検知→⑥営業管理。3者は競合というより担当する工程が違う

工程 説明(言葉の意味) ブルーマップ単体(ゼンリン) 登記簿図書館 WHERE
①発掘 対象になりそうな土地(空き地・空き家など)を地図から見つけ出す ✕ 自分で探す ✕ 地番が分かっている前提 ◎ 衛星AIで自動(独自)
②地番特定 住所・地図から、登記で使う「地番(◯番◯)」を割り出す ◎ 住所↔︎地番 △ 地番検索はあるが地図起点は弱い
③所有者特定 地番から登記(全部事項など)を取り、所有者を突き止める ✕ 別に登記が必要 ◎ 安い+名寄せ(逆引き) ◎ 取得可(月60万の固定費+カウント課金。1カウント単価は未確認)
④付帯情報 土地に紐づく周辺データ(用途地域・駅・学区・公示価格・将来人口・浸水/土砂などの災害リスク) △ 用途地域・容積率は併記 ◎ 自動で付与
⑤新しい変化の検知 過去と今の衛星写真を比べ、取り壊し・更地化など新しい変化を見つける ◎ 独自
⑥営業管理 見つけた地主への営業状況(予定→商談→成約)を記録・管理 △ リスト程度
費用 概算 冊子1.7〜7万円/エリア(1図購入・図書館閲覧も可) 月0円+所有者事項50円/全部事項200円(税抜)、共有分はさらに割安、名寄せ無料 月60万円+登記カウント従量

言葉の意味:地番=登記で土地を区別する番号(住所=住居表示とは別)。名寄せ=所有者名・会社名から、その人が全国に持つ不動産を逆に探すこと。付帯情報=土地そのものでなく周辺の参考データ。変化検出=過去と今の衛星写真の差から、新しくできた空き地・取り壊しを見つけること。

「ブルーマップ+登記簿図書館」で組む場合 - ブルーマップで地番を出し、登記簿図書館で登記取得(全部事項200円・名寄せ無料)すれば、②③は圧倒的に安い。 - ただしこの組合せには①発掘と⑤新しい変化の検知がない。「攻めるエリアが決まっている/地番が分かっている」なら組合せで十分。「広く自動で当たりを付けたい」ならWHEREの発掘が効く。 - 登記簿図書館の名寄せ(所有者→保有物件の逆引き)はWHEREにない強み(要確認)。相続・大地主・法人地主の攻略で有効。


6. WHEREを契約するメリット・デメリット(一覧表)

デメリットには「ブルーマップ/登記簿図書館にできてWHEREにできない(苦手な)こと」を統合済み。確実度は【確認=画面/公開情報】【要確認=一次確認が必要】。

区分 項目 内容 確実度
メリット 発掘の自動化 衛星AIで「どこに空き地・空き家候補があるか」を出す。人脈・勘に頼らない。ブルーマップ+登記簿図書館では代替できない(地番が分かってからの道具のため) 確認
メリット 新しい変化の早期検知 取り壊し・更地化などを差異検出で早くつかみ、競合より先にアプローチ 確認
メリット ワンストップ 探索→地番→登記→付帯情報→土地管理が1ツールで完結 確認
メリット 調査の時短 用途地域・ハザード・公示価格・学区などを自動で付与し、現地・役所調査の前さばきを短縮 確認
メリット 大手の導入実績・継続更新 大手企業の導入実績があり、機能更新(建物謄本取得・登記追跡アラートなど)が続く 確認
デメリット 高い・固定費リスク 月60万円(年720万円)+従量。発掘した候補が成約に繋がらないと回収できない 確認
デメリット 登記取得の総コストが高い 登記を取るだけでもWHEREは月60万円の固定費が前提(登記簿図書館は月0円+全部事項200円・所有者事項50円。公式に「法務局オンラインより安い」と明記)。固定費の差だけで割高。※WHEREの1カウントの円単価は未確認のため、1通あたりの単価比較は未確定 固定費=確認/単価=要確認
デメリット 名寄せ(逆引き)がない 所有者名から全国の保有不動産を逆に探すのは登記簿図書館の独自機能。WHEREは地図起点で、今回の画面に見当たらない 要確認
デメリット 共有データの割安再利用がない 他ユーザーが取得済みの登記を割安で見る(登記簿図書館)はWHEREになく、毎回カウント消費 確認
デメリット スポット・少額利用ができない 月60万円の契約が前提。地番が分かっている物件を少量だけ安く処理する用途は登記簿図書館(月0円+数十円)が安い 確認
デメリット 紙・オフラインの現地利用に弱い ブルーマップ冊子の持ち込み・書き込み・ネット不要の現地利用は代替しづらい 確認
デメリット 規制数値の地図併記 容積率・建ぺい率などの地図併記はブルーマップが明快。WHEREは用途地域はあるが数値併記は未確認 要確認
デメリット 自社にデータが貯まらない 発掘・取引・所有者データがWHERE側に貯まる(ベンダーロックイン) 確認
デメリット 自社向けの作り込みは限定 KTERAS固有の買取基準・査定ロジックへの作り込みは限定的 確認
デメリット 精度・歩留まりが未検証 衛星AIは候補出しで、空き家かどうか・所有者の意向は別途確認が必要。KTERAS様は取得カウント0で実運用が未検証 確認

7. 結論(推奨)


(参考)FCPの対応・代替の方向性

本資料はWHEREの機能・競合調査が主目的。以下はKTERAS様の内製判断のための参考。


出典・確認元


運営会社(参考・一次情報)

項目 内容
運営会社 株式会社WHERE(旧・株式会社Penetrator)
出自 JAXA発スタートアップ(JAXAの知財・知見を活用)
代表 阿久津 岳生 氏(2022年2月 Penetrator設立)
資金調達 シリーズA 総額5.5億円(2025年、宇宙フロンティアファンド等)
導入実績 三井不動産・三菱地所・福岡地所 等。リリース約1年で導入50社突破
直近 2026年6月 建物謄本取得・建物登記追跡アラートを追加(土地に加え建物所有者も可視化)
関連 アクセルスペースと「衛星画像による不動産登記情報の高精度化」PoC

一次情報の出典 - 株式会社WHERE(旧Penetrator)公式:https://pntwhere.com/en/ / https://lp.pntwhere.com/ - 「衛星データ×AIで不動産情報を自動取得するSaaS『WHERE』」HOUSEMEDIA:https://housemedia.jp/seihinkiji/2024jbt_where_penetrator/ - 「導入社数50社突破」PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000146022.html - 「総額5.5億円調達」PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000146022.html - 「JAXA発スタートアップが目指す土地の仕入れ」DG Lab Haus:https://media.dglab.com/2024/09/19-penetrator-01/ - アクセルスペース×WHERE PoC:https://www.axelspace.com/ja/news/realestate_poc/